研究会第4回大会発表概要


題:視覚文化試論―エマソンの『自然論』からポストヒューマンまで

発表年月日:2000年9月22日

氏名:上野 俊一(いわき明星大学)


 ゲノム解読や脳研究、ロボティクス、人工知能の研究が加速度的に進展する中、これらに関わる研究者は研究が進めば進むほど、「人間とは何か」という根源的は問題に突き当たっている。こうした状況下、人文分野からのアプローチが求められているのである。人間の機能を科学技術によって高めようとする「トランスヒューマン」、そして、ポスト・トランスヒューマンとして登場するであろう「ポストヒューマン」、こうした未来の想定作業は再び、現在・過去への再構築につながると確信している。
 「ポストヒューマン」という概念自体、まだはっきりしていないが、その多くはいまだに「トランスヒューマン」の域を脱していない。そこで、今回の発表では、ポストヒューマン論構築の第一歩として、独自に次の4つの方向性を提示した。

(a) Metabolism  (b) Ocularcentrism  (c) The Monstrous  (d) Altered State of Mind (Transcendent)

特に、19世紀アメリカのエマソンを中心とするトランセンデンタリズム(超越主義)と産業革命、21世紀を向かえようとする時に出現したポストヒューマン論と加速度的な科学進歩という2つの現象を比較検討したとき、この4つの方向性を提示することができる。今回の発表では、十数年関わってきたエマソン研究からポストヒューマン論へどのようにアプローチできるかを示したつもりだが、今後はこれを足掛かりに独自のポストヒューマン論を構築していきたい。




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